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「水槽の中のジョミ・観察日誌」その11  ドナドナ。

10月16日(木曜日)晴れ

今日は久しぶりにすごくいい天気だった。
学校の帰りに校門を出たところで、ドンとランドセルを後ろから押されて少しつんのめった。

「またあとで行くからなー、おまえんち」

シロエが笑いながら僕の横をすり抜けて走っていく。
相変わらずな関係だがシロエの言葉や態度に以前ほどのとげとげしさは感じない。
僕にもう耐性がついたのか、あいつが変わったのか。


家への帰り道、ペットショップの水槽を一応チラっと確認するのはいつものことだ。
でもこの時間あのぐうたら人面魚が起きていたことはほとんどない。
ジョミを連れていくと、何か引き合うものがあるらしく、このところちょくちょく目を覚ますようになっていた。その時のジョミのはしゃぐ顔を思い浮かべてふと笑いそうになり、あわてて顔をひきしめる。

さあ、今日も寝てるんだろうな─────

え?

いない?
20081015-2.jpg

いない!どこを見てもいない!!なんでだ?!

心臓が急にバクバクしてきた。落ち着け、落ち着け、と必死で自分に言い聞かせる。

死んだとは限らない…ちょっと水槽を移ったとか…

僕はペットショップの扉を開けた。
そんなに広くない店内。ざっと見回したがそれらしい生き物の入った水槽はどこにもない。
胸がちりちりする。ジョミになんて伝えれば…

「いらっしゃい。何かお探し…かな?」
奥からひょろりと痩せた店のおじさんが顔を出した。

「……あ、あの…昨日までここにいた…あの人面魚はどうしたんですか?!」

「ああ、アレは今朝売れたよ」
おじさんはニコニコと嬉しそうに答えてくれた。

売れた………300万円もするのに?!

すーっと血の気が引いていくのが自分でもはっきりわかった。

うかつだった。あんな値段だから永遠に売れないだろうと勝手にどこかで安心していた。

そのあとおじさんに何を言ったかもあまり覚えていない。
のろのろと重い足をひきずるように家に向かうと、玄関の前ですでにシロエがぷりぷりしながら僕の帰るのを待っていた。

遅いぞ、何寄り道してたんだ!…とかなんとかいう声をぼんやり聞きながらポケットから鍵を出し、鍵穴に差し込む。

いつもならもうすぐ会えるジョミの顔を思い出して嬉しくなる瞬間なのに……気が重い。
ジョミには…まだ切り出せない。きっとショックを受ける。
しばらく黙っておいて、様子をみてちゃんと説明しよう…。

おっじゃまっしまーす!と歌うように靴を脱いで部屋に入っていくシロエの背中を眺めながら、僕は深く溜息をついた。


(キースおかえり♪)

部屋に入るとジョミがキラキラした目で水槽の中から僕に思念波を飛ばしてくる。
水槽に貼り付けたおさかなブルーの写真が目に痛い。
はがしてしまいたいがジョミは怒るだろう。

早速部屋に寝そべって持ってきた漫画を読み始めたシロエをチラっと見やってから水槽に近づき、いつものようにただいま、と心でこたえて必死で笑顔をつくる。

つぶらな緑のくりくりした目がさらに大きく見開かれる。

(キース…?どこかいたい?かおいろわるい)

ジョミがこんな風に僕のことを心配してくれるのははじめてのことで。
嬉しいけれどまさか本当のことを言うわけにもいかず、うん、ちょっとね…と小さな声でこたえる。

(お腹が少し痛いかな…今クラスで風邪がはやってるからそれかも。今日は一緒にお出かけできないけど…いい?)

(おでかけいつでもいい…キースげんきになるほうがだいじ!…キースびょうき、ジョミかなしい)

本当に悲しそうな顔をするジョミがいとおしい。
このままジョミがあの人面魚のことを忘れて僕のことだけを思ってくれたらもっといいのに…。

「キース、腹減った~。何かない?」
後ろからシロエの声がして、今何か持ってくる、とふりかえりながら答えた。

(キースぐあいわるいのに!ジョミ、シロエきらい)
ジョミは水槽の中からシロエにガンを飛ばしてぷりぷりとむくれた。

(いいんだよ、ジョミにもコンソメパンチ持ってくるから待ってな)

僕はそっと部屋をあとにした。



いつ本当のことを切り出したらいいだろう……
どんな風に話してやったらジョミのショックが一番少なくてすむだろう…

できるだけジョミを傷つけたくはない……。

でもいい考えは浮かばなかった。

台所でお菓子の入っている戸棚からコンソメパンチとミニカステラの袋を引っ張り出しながら
僕はしばらくこのことを隠し通そうと心に決めた。




イベントが終わってようやく今頃じわじわと脱稿喜びモードに浸ってます(遅)。
今回ホントギリギリまで切羽詰ってたんで…。
Je te veuxⅡの挿絵、アレが一番大慌てで描いた一枚でした。
コピーショップ開店時間までに…と当時必死だったので…
30分で二人分の全身絡み絵を白紙から一気にトーン貼りまで仕上げたのは多分自分の中でも最速記録だったんじゃないかな…。すごい集中力でした。

しばらく怒涛のオン更新になると思います♪
長らくお休みいただいてたサイトの連載漫画や青ずきんちゃんも再開します。
あとジョミブル絵チャログをまた後日裏の方に一挙にアップします。
(非常に遅いアップですみません……もういつの話だよソレ…な状態で…)
マクロス部屋のちびブレラたんも多分再開すると思います。
そのへんぼちぼち更新しながら3月の企画本の方をすすめていこうと思っています。
今週中にあと少し執筆依頼…企画が企画なだけに…ダメもとですが…思い切ってアタックしてみようと思います。はい。
せっかくの企画なので思い残すことのないように、ああ、いい本だったよねと思っていただけるように…精一杯頑張りたい。

この日記もついに30000ヒット越えて嬉しい♪ありがとうございます♪
サイトよりもこちらのブログの方がサーチ登録長かったんで、どっちかというとサイト自体よりもこちらに愛着があるんですよね…。

最近キリリクも全然受けてなかったんですが、もしリクエストなどありましたらお気軽にどぞー。
(あんま大したフルカラー絵は描けませんが)

最近いただいたリクエスト。

「ハードなキスブル」…ハードて…(爆)。受けた~。ソフトじゃダメなんですね、ハードで。かしこまりました。みつくら様のサイトのSSを拝見してハードなキスブル体位どんなんがええのか妄想しておきます♪いやもー同意です。私もみつくら様のサイトで「初めてキスブルに目覚めた」人間の一人です。
あの超鬼畜キスブル…あれはすごかった。繰り返しそこばっか読み返したという…(←私、鬼畜が大好物です)
基本的にジョミブルならラブラブでも鬼畜でもなんでも大好きですが、それ以外のカプになると俄然鬼畜推奨派です。そこに愛がない体だけの鬼畜な関係の方が激しく萌える。
ジョミ受に関してもわりと似た感じかな。
実は当初キスジョミでどえらい鬼畜なエロ漫画描くつもりだったんですが、そんな愛のない鬼畜なのはやめた方がいい、愛のあるブルジョミにしとくべきだとお友達に助言していただいた経緯があるんですが、今考えるとほんとそのとおりにしててよかった…(笑)。
愛の溢れた作品でいっぱいのオンリーでした♪鬼畜受にしなくてよかった…とつくづく思いました。


拍手お返事

>10/15 河野さま

あははは~関西弁なコメントありがとうございます!!笑っちゃいました~!
これからもこーんな感じのちょっとバカップルなジョミブルをちょこまか描いていきたいと思ってます♪


そのほかにも拍手ぱちぱちありがとうございます!
メールのお返事がかなりまだです、ごめんなさい…取り急ぎ…

>リンクのご報告くださったサイトの皆様ありがとうございます!!
 なかなかご感想など送れてなくて申し訳ないですが、遊びに行かせていただいて
 拍手あれば(ないとできないんですが…)ひっそりぱちぱちさせていただいてます~♪
 素敵コンテンツが増えるのをこれからも楽しみにしております! 

>じょみったけで当日お会いした方、お世話になった方、本当にありがとうございました!!
 差し入れとっても美味しかったです!(←もう全部食べたらしい…)
 皆様のジョミ愛溢れる新刊!舐めるように楽しませていただきました!!ハァハァ(落ち着け)
 私も今度締め切りに間に合えばちゃんと印刷所で刷りたいなー(笑)。
 
>15日に通販入金先メールが届いてなかった方すみません…!アドレスの綴りを間違えて送信してたみたいです!ごめんなさい~ご連絡ありがとうございました♪

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★「刀剣乱舞」…三日骨
★「薄桜鬼」…原沖史上主義

(現在休止)
★「イナズマイレブン」…バンガゼ、アルフェイ
★「地球へ…」…基本ジョミブル、たまにブルジョミ

同性愛的表現に嫌悪感を感じられる方にとっては目に毒なモノしか置いていませんので、ご興味ない方もお戻りになって下さい。

【プロフィール】
隠れ腐女子で隠れ絵描き。アルビノスキー。
耽美系美少年の絡み絵を描くことが生きがい。

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