「水槽の中のジョミ・観察日誌」33
4月11日(土) 晴れ
6年生として新学期がスタートして初めての休日。
母さんはここ最近土曜日は昼前にはデートに出かけ、帰宅するのは夕方になる。
キースも一緒にどう?と毎回誘われてはいるけど、さすがにそんな野暮なことはしたくないし、
行きたいとも思わない。
部屋でゆっくり読みたい本があるからいいんだ、行ってらっしゃい…と母さんを送り出す。
シロエの来襲もない、のんびりと平和な一日。
ジョミは今日もせっせと求愛行動に励んでいるが、相手の反応は芳しくない。
(頑張るよなぁ…健気というかなんというか…)
その行動を見ていると本当に飽きない。
ベッドに寝そべってずっと本を読んでいたが、ふと気がつくともう3時だった。
僕はういろうと冷凍庫から出したアイスを部屋まで持っていき、ジョミの行動を眺めながら食べ始める。ジョミには小さく切ったういろうを2切れ落としてやる。
ジョミはういろうをキャッチすると、いつものように水槽の底でふてぶてしく寝そべって動かないブルーのそばに寄り添い、口元をちょんちょんとつつく。
ブルーは目を閉じたまま口だけ開けて、差し出されたういろうをもぐもぐと食べた。
相変わらず横着な人面魚…。
ジョミはブルーにういろうを食べさせ、くるっとこっちを振り返った。
僕のアイスを見た途端、中からぺちぺちと水槽のガラスを叩き出す。
(それちょーだい、キースちょーだい)
(アイス? ああ、これはだめだよ。水に入れたらすぐ溶けて汚れちゃうから)
ジョミは顔を真っ赤にしてぷるぷるぷると首をふり、またぺちぺち水槽を叩いた。
(ちがうのー!それじゃなくて…そっちー)
え? 何? それ?…そっち?…ってどれ?
どうやらジョミはアイス用の木のスプーンが欲しかったようだ。
渡してやるととても喜んだのだが…
ジョミがうっかり放すと軽いのですぐにプカ~ンと水面に浮かんでしまう。
そのたびに慌ててスプーンを取りに戻るジョミ。
なんべんもそれを繰り返して疲れたのかもしれない。
夕食を食べて戻ってみると
ジョミはブルーの寝てる場所から一番遠い水槽のはじっこで
大事そうにスプーンを抱きしめて眠りこけていた。
なんだか抱き枕をぎゅっと抱いて寝てるように見える。
面白いやつだなー…。
だけど、
いきなりなんでこんなものを欲しがったのか…。
6年生として新学期がスタートして初めての休日。
母さんはここ最近土曜日は昼前にはデートに出かけ、帰宅するのは夕方になる。
キースも一緒にどう?と毎回誘われてはいるけど、さすがにそんな野暮なことはしたくないし、
行きたいとも思わない。
部屋でゆっくり読みたい本があるからいいんだ、行ってらっしゃい…と母さんを送り出す。
シロエの来襲もない、のんびりと平和な一日。
ジョミは今日もせっせと求愛行動に励んでいるが、相手の反応は芳しくない。
(頑張るよなぁ…健気というかなんというか…)
その行動を見ていると本当に飽きない。
ベッドに寝そべってずっと本を読んでいたが、ふと気がつくともう3時だった。
僕はういろうと冷凍庫から出したアイスを部屋まで持っていき、ジョミの行動を眺めながら食べ始める。ジョミには小さく切ったういろうを2切れ落としてやる。
ジョミはういろうをキャッチすると、いつものように水槽の底でふてぶてしく寝そべって動かないブルーのそばに寄り添い、口元をちょんちょんとつつく。
ブルーは目を閉じたまま口だけ開けて、差し出されたういろうをもぐもぐと食べた。
相変わらず横着な人面魚…。
ジョミはブルーにういろうを食べさせ、くるっとこっちを振り返った。
僕のアイスを見た途端、中からぺちぺちと水槽のガラスを叩き出す。
(それちょーだい、キースちょーだい)
(アイス? ああ、これはだめだよ。水に入れたらすぐ溶けて汚れちゃうから)
ジョミは顔を真っ赤にしてぷるぷるぷると首をふり、またぺちぺち水槽を叩いた。
(ちがうのー!それじゃなくて…そっちー)
え? 何? それ?…そっち?…ってどれ?
どうやらジョミはアイス用の木のスプーンが欲しかったようだ。
渡してやるととても喜んだのだが…
ジョミがうっかり放すと軽いのですぐにプカ~ンと水面に浮かんでしまう。
そのたびに慌ててスプーンを取りに戻るジョミ。
なんべんもそれを繰り返して疲れたのかもしれない。
夕食を食べて戻ってみると
ジョミはブルーの寝てる場所から一番遠い水槽のはじっこで
大事そうにスプーンを抱きしめて眠りこけていた。
なんだか抱き枕をぎゅっと抱いて寝てるように見える。
面白いやつだなー…。
だけど、
いきなりなんでこんなものを欲しがったのか…。