「水槽の中のジョミ・観察日誌」その7。アルビノ覚醒
9月9日(火曜日) 晴れ
学校の帰り、ペットショップの前に人垣ができていた。
「泳いでるとこ初めて見た~」
「かわいい~」
「写真撮っとこー」
(は…っ!!もしや)
ダッシュで駆け寄り人垣を必死で押しのけ、伸び上がって隙間からあの水槽を見ると
お、泳いでいる!あの冬眠300万円人面魚が!
こっこれは!ジョミを連れてこなくては!!
…と思っていたらアルビノ人面魚はしゅるしゅると水底に沈み
騒ぎ立てる人間をチラっと醒めた目で見やって、プイと横を向いて目を閉じてしまった。
げ…っ!
「あ~あ」
「また寝ちゃった~」
「ちぇっ、つまんねえ」
「かわいかったなあ」
「でも起きてるとこ見られてラッキー」
水槽の前にたかっていた人の群れは、わらわらと散っていった。
そっか…起きてることが珍しいんだ…。
最初ジョミと見たのは奇跡だったのかもしれない。
「ばっちし撮れたぜー」
「うわーシロエ見せてくれよー」
はっと声の方を見ると、シロエがさも自慢げに携帯を友達に見せびらかしていた。
僕らの学校で携帯を所持している子供は少数だ。僕も持ってない。
「あ、キースじゃん…なんだよ、お前も見せてほしいのか?だったら、ちゃんと見せてくださいって言えよ」
いつもの調子でシロエは偉そうに突っかかってきた。
「…見せてください」
シロエはポカンと拍子抜けしたような顔になったが、フンと鼻をならして携帯を見せてくれた。
驚くほど鮮明に撮れている。
これを見せてやったら、ジョミはどんなに喜ぶだろうか。
「なあ、シロエ。これをプリントアウトして僕にくれないか。お願いだ」
シロエもシロエの周りの取り巻きもビックリした顔で僕を見つめている。
「頼む」
僕は頭を下げた。
しょっちゅう僕に喧嘩を売ってくるようなヤツに頭を下げるのはしゃくだが、
ジョミの喜ぶ顔を思い浮かべたらそんなことはどうだっていい。
つまらないプライドなんかくそくらえ。大切なのはかわいいジョミの笑顔だ。
「……わ、わかった。だけど条件がある」
「僕にできる範囲のことならなんでも」
そう答えて見返すと、シロエはちょっとしどろもどろになった。
「お、お前の部屋を僕に開放しろ。僕が行きたい時にいつでも、だ」
なんだそれ?
「別にそんなの全然構わないが…僕の部屋に来て何するんだシロエ」
「おやつ食べたりテレビ見たりゲームしたり漫画読んだり、ってとこだ」
「……なんだ、遊びに来たいならそう言えよ」
「違う!全然違う!お前の部屋を自由に使う権利をいただく、ってことだ!全然違うぞ!」
シロエは赤くなったり青くなったりしてぎゃあぎゃあわめいた。
下手に怒らせて肝心の写真をもらえなくなったりしたら大変だから僕は黙ってうなずいた。
シロエにもらった写真を水槽の中のジョミに見せた。
このところ食事も摂らないで落ち込んでいたジョミの顔がみるみるぱああーっとほころんだ。
(キース!それなに?あの子?なんで?)
「起きてる時の写真をわけてもらったんだ。気に入ったか?」
興奮して水槽の中をくるくる泳ぎ回るジョミによく見えるよう、写真を裏返して水槽のガラスにぺたりと貼り付けた。
(うれしいうれしい!キース大好き!)
思ったとおりジョミは大喜びだった。すっかり元気を取り戻したジョミに僕はコンソメパンチの袋を見せてやる。ジョミの緑の目が久しぶりにキラキラと食欲で輝いた。
水面に上がってきたジョミにポテトチップスを一枚一枚食べさせてやる。
おなかがすいてたんだろう、ジョミはひとふくろペロっとたいらげた。
なくなると僕の指についた塩をちうちうと幸せそうに吸った。
赤ちゃんみたいでかわいい。胸がほっこりあったかくなる。
その夜のジョミは写真によりそって幸せそうにほほえみながら眠った。
僕はそんな嬉しそうなジョミの寝顔を眺めて、とても幸せな気持ちだった。
この日誌はいい息抜きになります…はうー。
ただパソコン画面でこれ開いてるときに息子に見られて
「うわ!ポニョがテラや!」と叫ばれてしまいました…。
あ、ブルーだと認識してくれたわけですね。サンクス。
は…う…もう原稿そーとーやばい。
相当頑張ってるんですが~。
手首は大丈夫です。時々違和感はありますが、痛みは今のところほとんどなしです。
大丈夫。それは大丈夫。大丈夫じゃないのは時間足りるのか…ってことです…。
19日締切の入稿はほぼ諦めつつあります。22日入稿で行けるかどうか…ううう(残念だけどバーンと金額はねあがる)。
いや、どうせ金額跳ね上がるんなら、印刷所変えて表紙をホログラム加工でいこうかなと思ったら、「ホログラム用紙ないので、現在お受けできません」…ガックリです。
ていうか、カラー表紙描いてる時間あるのか?!
一瞬以前のささげもの絵を流用するというとんでもない策にとびつきそうに。
あかんあかん…それはあかん…
パーツが増えると塗る作業増えるので、顔ドアップとかでいくか…?それとも以前描いた線画に塗るか?いやもう悩んでる時間一秒たりともないぞ、と
ペン入れは25枚ぐらい終わった…あと倍もある…orz
トーンは前半からどんどん貼ってくことにした…もう悠長なこと言ってられん
おそろしいのが後半。まだラストコマ割ってない…ひい
頑張るぞ…
ええ、夏休みに進めなかったから自分で自分を追い込んだわけでまったくもって自業自得です。
なんだかんだ言ってますが、こうして絵が描けるのは幸せなことだと思います。
文句言うたらバチあたる…でも、しんどい…(弱音)
★拍手お返事★
>河野さま(レス不要とのことでしたが)
ありがとうございます。嬉しい応援メッセで元気をいただきました。
そんな風に言っていただけて感無量です。
まだまだ未熟なので精進したいなと思います。
手首は大丈夫です!おかげさまで痛みもおさまりましたよ♪頑張りますね~♪
学校の帰り、ペットショップの前に人垣ができていた。
「泳いでるとこ初めて見た~」
「かわいい~」
「写真撮っとこー」
(は…っ!!もしや)
ダッシュで駆け寄り人垣を必死で押しのけ、伸び上がって隙間からあの水槽を見ると
お、泳いでいる!あの冬眠300万円人面魚が!
こっこれは!ジョミを連れてこなくては!!
…と思っていたらアルビノ人面魚はしゅるしゅると水底に沈み
騒ぎ立てる人間をチラっと醒めた目で見やって、プイと横を向いて目を閉じてしまった。
げ…っ!
「あ~あ」
「また寝ちゃった~」
「ちぇっ、つまんねえ」
「かわいかったなあ」
「でも起きてるとこ見られてラッキー」
水槽の前にたかっていた人の群れは、わらわらと散っていった。
そっか…起きてることが珍しいんだ…。
最初ジョミと見たのは奇跡だったのかもしれない。
「ばっちし撮れたぜー」
「うわーシロエ見せてくれよー」
はっと声の方を見ると、シロエがさも自慢げに携帯を友達に見せびらかしていた。
僕らの学校で携帯を所持している子供は少数だ。僕も持ってない。
「あ、キースじゃん…なんだよ、お前も見せてほしいのか?だったら、ちゃんと見せてくださいって言えよ」
いつもの調子でシロエは偉そうに突っかかってきた。
「…見せてください」
シロエはポカンと拍子抜けしたような顔になったが、フンと鼻をならして携帯を見せてくれた。
驚くほど鮮明に撮れている。
これを見せてやったら、ジョミはどんなに喜ぶだろうか。
「なあ、シロエ。これをプリントアウトして僕にくれないか。お願いだ」
シロエもシロエの周りの取り巻きもビックリした顔で僕を見つめている。
「頼む」
僕は頭を下げた。
しょっちゅう僕に喧嘩を売ってくるようなヤツに頭を下げるのはしゃくだが、
ジョミの喜ぶ顔を思い浮かべたらそんなことはどうだっていい。
つまらないプライドなんかくそくらえ。大切なのはかわいいジョミの笑顔だ。
「……わ、わかった。だけど条件がある」
「僕にできる範囲のことならなんでも」
そう答えて見返すと、シロエはちょっとしどろもどろになった。
「お、お前の部屋を僕に開放しろ。僕が行きたい時にいつでも、だ」
なんだそれ?
「別にそんなの全然構わないが…僕の部屋に来て何するんだシロエ」
「おやつ食べたりテレビ見たりゲームしたり漫画読んだり、ってとこだ」
「……なんだ、遊びに来たいならそう言えよ」
「違う!全然違う!お前の部屋を自由に使う権利をいただく、ってことだ!全然違うぞ!」
シロエは赤くなったり青くなったりしてぎゃあぎゃあわめいた。
下手に怒らせて肝心の写真をもらえなくなったりしたら大変だから僕は黙ってうなずいた。
シロエにもらった写真を水槽の中のジョミに見せた。
このところ食事も摂らないで落ち込んでいたジョミの顔がみるみるぱああーっとほころんだ。
(キース!それなに?あの子?なんで?)
「起きてる時の写真をわけてもらったんだ。気に入ったか?」
興奮して水槽の中をくるくる泳ぎ回るジョミによく見えるよう、写真を裏返して水槽のガラスにぺたりと貼り付けた。
(うれしいうれしい!キース大好き!)
思ったとおりジョミは大喜びだった。すっかり元気を取り戻したジョミに僕はコンソメパンチの袋を見せてやる。ジョミの緑の目が久しぶりにキラキラと食欲で輝いた。
水面に上がってきたジョミにポテトチップスを一枚一枚食べさせてやる。
おなかがすいてたんだろう、ジョミはひとふくろペロっとたいらげた。
なくなると僕の指についた塩をちうちうと幸せそうに吸った。
赤ちゃんみたいでかわいい。胸がほっこりあったかくなる。
その夜のジョミは写真によりそって幸せそうにほほえみながら眠った。
僕はそんな嬉しそうなジョミの寝顔を眺めて、とても幸せな気持ちだった。
この日誌はいい息抜きになります…はうー。
ただパソコン画面でこれ開いてるときに息子に見られて
「うわ!ポニョがテラや!」と叫ばれてしまいました…。
あ、ブルーだと認識してくれたわけですね。サンクス。
は…う…もう原稿そーとーやばい。
相当頑張ってるんですが~。
手首は大丈夫です。時々違和感はありますが、痛みは今のところほとんどなしです。
大丈夫。それは大丈夫。大丈夫じゃないのは時間足りるのか…ってことです…。
19日締切の入稿はほぼ諦めつつあります。22日入稿で行けるかどうか…ううう(残念だけどバーンと金額はねあがる)。
いや、どうせ金額跳ね上がるんなら、印刷所変えて表紙をホログラム加工でいこうかなと思ったら、「ホログラム用紙ないので、現在お受けできません」…ガックリです。
ていうか、カラー表紙描いてる時間あるのか?!
一瞬以前のささげもの絵を流用するというとんでもない策にとびつきそうに。
あかんあかん…それはあかん…
パーツが増えると塗る作業増えるので、顔ドアップとかでいくか…?それとも以前描いた線画に塗るか?いやもう悩んでる時間一秒たりともないぞ、と
ペン入れは25枚ぐらい終わった…あと倍もある…orz
トーンは前半からどんどん貼ってくことにした…もう悠長なこと言ってられん
おそろしいのが後半。まだラストコマ割ってない…ひい
頑張るぞ…
ええ、夏休みに進めなかったから自分で自分を追い込んだわけでまったくもって自業自得です。
なんだかんだ言ってますが、こうして絵が描けるのは幸せなことだと思います。
文句言うたらバチあたる…でも、しんどい…(弱音)
★拍手お返事★
>河野さま(レス不要とのことでしたが)
ありがとうございます。嬉しい応援メッセで元気をいただきました。
そんな風に言っていただけて感無量です。
まだまだ未熟なので精進したいなと思います。
手首は大丈夫です!おかげさまで痛みもおさまりましたよ♪頑張りますね~♪