「水槽の中のジョミ・観察日誌」39
5月2日(土) 晴れ
(キース…キース…)
朝早く、頭の中に響くジョミの声で目が覚めた。
慌ててベッドから下り、水槽を覗き込む。
苔マットの端っこから黄色い頭が飛び出している。
(みてみてキース、かんせいした♪ どう、どう?すごい?)
(うん、すごい…。すごいけど…それ、何?)
僕のぶしつけな質問に、ジョミはちょっと不機嫌な顔になった。
(わかんないの?……べっどだよ~…)
(ベッド…)
これまで普通に水底で寝てたのに、いるのか?そんなもの。
(ぶるー、気に入ってくれるかなあ……)
水草の向こうで転がって眠っているもう一匹の人面魚をチロっと見やって
ジョミは赤くなった。
そうか、寝てばかりいるあいつのために作ったのか…。
(あ、ジョミ。僕と母さん、今日から家を何日か留守にするんだ。ジョミも、小さな水槽とか何かに移って一緒に…行く?)
(………おひっこし?)
(ほんのしばらくの間だけだよ)
(でも………やっぱり…ここにいる…)
僕と離れるのが不安そうだったが、
いつ起きるかさっぱりわからないブルーに、
これを真っ先に見せたいのだろう。
(そうか…。じゃ、ご飯は水槽の上にジョミが届くように並べておこうか?)
(うん♪)
僕は水槽の上に薄い板を渡し、クッキーやおせんべいなど、腐らないような食べ物を並べた。
(一度に全部食べちゃダメだからな)
(これがあしたのぶん。こっちはつぎのひのぶん…だね)
(…えらいな、ジョミ)
(うん。キースいなくてさびしくてもがまん!)
…嬉しいよジョミ。
でもジョミがそばにいないと僕もさびしい…
その時母さんの呼ぶ声がした。そろそろ迎えがくる時間だ。
僕はボストンバッグをかついで、ジョミに行ってきますと手をふった。
(いってらっしゃい。はやくかえってきてね)
ジョミはプルプルと短い手(?)を懸命に振って僕を見送ってくれた。
ジョミの愛の巣ついに完成。
(キース…キース…)
朝早く、頭の中に響くジョミの声で目が覚めた。
慌ててベッドから下り、水槽を覗き込む。
苔マットの端っこから黄色い頭が飛び出している。
(みてみてキース、かんせいした♪ どう、どう?すごい?)
(うん、すごい…。すごいけど…それ、何?)
僕のぶしつけな質問に、ジョミはちょっと不機嫌な顔になった。
(わかんないの?……べっどだよ~…)
(ベッド…)
これまで普通に水底で寝てたのに、いるのか?そんなもの。
(ぶるー、気に入ってくれるかなあ……)
水草の向こうで転がって眠っているもう一匹の人面魚をチロっと見やって
ジョミは赤くなった。
そうか、寝てばかりいるあいつのために作ったのか…。
(あ、ジョミ。僕と母さん、今日から家を何日か留守にするんだ。ジョミも、小さな水槽とか何かに移って一緒に…行く?)
(………おひっこし?)
(ほんのしばらくの間だけだよ)
(でも………やっぱり…ここにいる…)
僕と離れるのが不安そうだったが、
いつ起きるかさっぱりわからないブルーに、
これを真っ先に見せたいのだろう。
(そうか…。じゃ、ご飯は水槽の上にジョミが届くように並べておこうか?)
(うん♪)
僕は水槽の上に薄い板を渡し、クッキーやおせんべいなど、腐らないような食べ物を並べた。
(一度に全部食べちゃダメだからな)
(これがあしたのぶん。こっちはつぎのひのぶん…だね)
(…えらいな、ジョミ)
(うん。キースいなくてさびしくてもがまん!)
…嬉しいよジョミ。
でもジョミがそばにいないと僕もさびしい…
その時母さんの呼ぶ声がした。そろそろ迎えがくる時間だ。
僕はボストンバッグをかついで、ジョミに行ってきますと手をふった。
(いってらっしゃい。はやくかえってきてね)
ジョミはプルプルと短い手(?)を懸命に振って僕を見送ってくれた。
ジョミの愛の巣ついに完成。